家を売る時、不動産仲介業者の選び方 その1

 家を売りたい! でも、どうすればいいんでしょう?

 身内とか知り合いなど買いたい人がすでにいる時は、直接やりとりすることもできまし、相手のことをよく知っているから安心です。

 ただ、普通は、買いたい人を自分で見つけるなんて無理ですね。

 それに、もし、見つかったとしても、初めて会う人といきなり大きなお金が動く不動産の売買をするのは心配ですし、後々、トラブルになったらイヤですし。

 だから、ほとんどの人は、不動産のプロであるいわゆる仲介業者(媒介業者ともいいます)さんに頼んで買いたい人を探します。

 仲介業者は、まさに、家を売りたい人と買いたい人をマッチングさせるのが仕事で、家を売りたい人と家を買いたい人の情報をたくさん持っています。

 ですから、まあ、仲介業者にお願いするまではいいとしても、一体どこの仲介業者を選べはいいんでしょうか?

 そこで、今回は、家を高く売るためには、どうやって仲介業者を選んだらいいか、について話してみます。

 結論を先に言いますと、どこに頼んでもいいです。

 どこの仲介業者がほんとうにいいかなんて一度や二度で正直、わかりません。

 というか、ちゃんとした免許を持っている業者であれば、どこに頼んでも決定的な違いなんてありません。

 ただし、その代わり、仲介業者は、1社ではなく、複数の業者、つまり最低でも2社以上に頼むことです。

 できれば、3社とか。

 逆にあまりに多すぎるのも管理がたいへんなのでせいぜい5社くらいまでしておくのがよいかも。

 これだけで、失敗するリスク、つまり、安く売らされて損をするリスクを減らせます。

 そして、そのうち少なくとも1社は地元、1社は大手を選んで頼んでみるのがいいです。

 全部地元でも、全部大手はなるべく避けてください。

 ※仲介業者は、少なくとも2社以上に依頼
 ※そのうち、地元1社以上、大手1社以上

 さて、理由ですが、簡単に言うと、あなたは、不動産売買の素人だからです。

 相手の仲介業者は、不動産のプロです、1社だけに頼むと、あなたの情報源はその1社のみです。

 知識も経験もないあなたは、その1社の言うことを信用するしかありません。

 その仲介業者の言うことが正しいのか、そうでないのか判断できません。

 つまり、仲介業者の言うなりです。

 できるだけ高く売りたいつもりが、安く売らされるハメになります。

 前にも言いましたが、仲介業者は、あなたの不動産を売るお手伝いをしてくれますが、必ずしも、高く売ってあげようとは露にも思っていません。

 高く買ってくれそうな人がすぐに見つかれば別ですが、そうでないほとんど場合、とにかく早く売ることが最優先されます。

 仲介業者の最優先は、売りたい人の家を、「高く」売るより、「早く」売ること

 一例をあげれば、あなたの家を1年かけて5000万円で買うAさんを探すよりも、あなたの家を4000万ですぐに買って3ケ月後に引越ししたいBさんを紹介し、そのBさんが今住んでいる家の仲介も受け、今度は、Bさんの家を3000万円で、Cさんに売る2件の売買を仲介する方がよっぽど儲かるからです。

 ※1年間で、5000万円の仲介1件の場合
 仲介業者の1年の売上は、5000万円×手数料3%+6万円=156万円(税別)

 ※3ヶ月で、4000万円の仲介1件と3000万円の仲介1件の計2件の場合
 仲介業者の3ヶ月間の売上は、4000万円×手数料3%+6万円=126万(税別)、と、3000万円×手数料3%+6万円=96万円(税別)の合計222万円(税別)

 あなたが家を売るのに1000万円損をしても、仲介業者は関係なく儲かったりします。

 でも、仲介業者も商売なので仕方ありません。

 ここで文句を言っても、あなたの家は1円も高くなりません。

 そこで、あなたができることは、1社ではなく、複数の業者に依頼することです。

 複数の業者に依頼して、1社に情報をコントロールされないようにすることです。

 情報操作されて、安く売らされてしまわないようにすることです。

 複数の業者に依頼すれば、もし悪徳な業者がいてもそこにダマされる確率を減らすことができます。

 複数の業者がいれば、業者同士に競争が生まれ、牽制機能が働きますので、いい加減なことは言ってきません。

 他の業者に聞けばカンタンにバレちゃいますから。
 
 ちなみに、複数の業者に頼むのに、他にどこに頼んでいるか、それぞれの仲介業者にいちいち言う必要は全くありません。

 仲介業者同士がつながっている可能性だってあるからです。

 あなたの情報が筒抜けになります、怖いですねー。

 さて、ここで、そもそも、いくつも頼むのは気が引けるなあ、と思っている人がいるかもしれません。

 でも、安心してください。

 そもそも仲介業者は、そんなの慣れっこですし、複数の業者に頼むことは、法律でちゃんと認められていることなんですから。

 もちろん、仲介業者の担当者からは、なんとか、自分の1社だけに任せてほしい、しつこくとお願いされるでしょう。

 でも、キッパリ断ってください。

 そうでなければ、あなたは、カモです、または、うさぎかインパラか。
もう、仲介業者にとって食われるだけです。

 これを防ぐ方法が、複数の業者に仲介を依頼することなのです。

 ちなみに、不動産のプロだって、不動産を高く売るための基本は、複数者への仲介依頼です。何か借りがあるとか、いろんな不動産をまとめて取引を約束しているとか、特別な事情がある場合は別ですが。

 それから、複数の業者にお願いするにしても、多ければ多いほどいいわけではなく、最大でも5社くらいと言ったのは、管理が大変だからです。

 こちらも仲介をお願いしている以上は、例えば、どこかの1社から取引の話があったり、売買が決まったりした場合には、あなたから他の仲介業者にしっかり連絡してあげることが必要だからです。

 だって、契約が決まったのに、連絡してくれなければ、それを知らずに一生懸命買いたい人を探している仲介業者は怒りますよね。

 それと、もし、途中で、売買金額を少し下げたりとか、売買の条件を変える場合は、仲介をお願いしている業者全部に、同じタイミングで連絡することも必要です。

 仲介A社は、5000万、仲介B社は、4500万で、同じあなたの家を売りに出してたら、買いたい人は、混乱するし、情報が古く高く出していた仲介業者は、恥をかきますよね、なんで、他社より高いのって。

 なので、あまり多すぎるのも管理上たいへんです。

 それと、あまりにいろんな仲介業者から売り情報が出すぎているのは、売れ残っている印象も買う人に与えかねません。

 なかなか売れないから、とにかく、いろんな仲介に頼みまくっているのかな、と。

 なので、基本は、2、3社くらいがちょうどいいかなと経験則で感じます。

 で、その中に、できれば、地元1社、大手1社を入れるようにするといいのは、地元は、地元なりの情報網、大手は大手なりの情報網があり、それぞれ違いがあるからです。

 地元の小さな仲介業者が意外といい買手を見つけてきてくれたり、または、大手の仲介業者が、さすがはやっぱり大手だなと思うようないい買手を見つけてきてくれるケースもあります。

 どっちがいいか、これだけは本当にわかりません。

 不動産そのものとタイミング次第です。

 だから、なるべく両方のタイプに頼むのがベストなんです。

 ここまで言いましたが、最後にちょっと補足として、1社に頼むのがいい場合のお話をします。

 仲介を1社に任せる方がいい場合は、ズバリ、あなたの家が、駅からすごく遠くて全然人気がない場所にあるとか、二世帯住宅のような特殊な間取りとか、お店と住む部分が一体となった家とか、ものすごく古いとか、そもそも違法建築とか、何かの事情で簡単には売れない、買いたい人を見つけにくい不動産である場合です。

 そういった家を、複数の仲介に任せても、はっきり言って、全然、動いてくれません、いわゆるほったらかしです。

 仲介業者は、高く売るより、早く売る、です。

 売れるのに時間がかかりそうな家は、後回しにされます。

 こういう場合は、どこか1社に、「あたなに任せる」、つまりは、売れた場合には、必ずあなたに手数料を払います」ということで、その仲介1社にがんばって買い手を見つけてきてもらうのはよいかもしれません。

 ただし、原則は、最後にもう一度。

※仲介業者は、少なくとも2社以上に依頼
※そのうち、地元1社以上、大手1社以上

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