家はどこでも好きなところに建てられる? その3
前回、そもそも日本にはルールがあって、家を建てられる地域と建てられない地域が決められている、そして、家を建てられる地域の中でもどんな建物を建てられるか、建てていい建物の種類が細かく決められているという話をしました。
実は、もう一つ、ルールがあって、家を建てられる地域の中で、自分が建てたい家を建ててい場所でも、さらに、家を建てられない場合があります。
それは、その土地が道路とつながっていなかったり、また、道路とつながっていたとしても、その土地が道路にくっついている幅が2メートル以上ないと建物を建ててはいけませんというルール(*1)です。
自分の土地なのに自由にできないなんて、なんだかイヤですよね。
なぜなんでしょうか?
なぜ2メートル以上なんでしょうか?
それは、住んでいる人たちを災害から守るためなんですね。
もしも、火事とか地震が起きて逃げようとしたときに、道路につながっていない土地に家を建てて住んでいた場合、周りが建物だらけで逃げるスペースがなくて逃げ遅れるかもしれません。
また、道路とつながっていても、ほんのちょっとだけだと、その先の家が火事で燃えていた場合、火を消すために消防車が入って行こうにも入れませんよね。
そうです、2メートル以上というのは、消防車などの緊急車両が中に入って行けるための最低の幅なんですね。
なんだか細かいルールですが、そこに住んでいる人たちを火事や地震などの災害から守るための大事なルールだったんです。
ちなみに、道路といっても、道路ならなんでもいいワケでもなくて、ちゃんとした道路(*2)でなければなりません。
一見、道路のように使われていても、実際は、誰かの敷地の一部で道路っぽく見えているだけのものはダメです。
だって、その土地を持っている人が将来、もし、柵や壁などをつくって消防車が入れなくなってしまったら困ります。
そして、そういう建物を建ててはいけない土地を売ってはいけないルールはないので、そういう土地も普通に売られています。
それがどんなに広くても、眺めのいい場所でも、どんなに安くても、ちゃんとした道路につながっていないとか、つながっていても2メートル以上くっついていない土地は、家を建てるための土地を探している人にとっては、価値ゼロです。
間違ってもそういう土地を買って損をすることがないよう気をつけましょう。
*1 接道要件
*2 建築基準法上の道路